2021年9月29日カテゴリー:

2学年の保護者の皆様へ(大学出張講義)

9/28(火)

最近の朝はとても冷え込んできて、登校時の玄関もひんやりしています。半そでで登校する生徒もいますが、寒くないかと心配しています。2学期からサーモグラフィーを用いた検温を行っていますが、冷たい風を切って登校してきた生徒たちの顔は冷えてしまっているため、何度か測りなおす必要のある生徒もいます。

さて、今日は9/24(金)の大学出張講義の感想をいくつか紹介します。【  】内は講義のタイトルです。

【「合成の誤謬」と対応策】

社会・経済について普段触れる機会があまりなかったので、今日の講義を受けてみて、改めて社会・経済について考えることができてよかった。普段の生活を見直してみると、「社会的ジレンマ」がよく起こっていることを見つける事ができた。人間は、自分の利益を優先する生き物なので、人間が人間である限り「社会的ジレンマ」はなくならないのではないかと考えた。選別主義と普遍主義は、平等にするという面では似ているが、本質を探ると異なっている。選別主義は、何か起こってから平等にするような感じだが、普遍主義は、初めから平等にするようなものなので、普遍主義が広まればいいなと個人的に感じた。

【心理学は学校教育に必要でしょうか?】

心理学に興味があったのでとても集中して受けることができたし、楽しかった。心理学は文系のイメージがあったけど、人間の行動や気持ちをデータにすることで目に見えないものを理解しやすくするという面で数学的な知識も必要だということを知った。認知心理学の情報処理過程の話が興味深かった。自分でも気づかないうちに五感を働かせ、いろいろな感情や行動に表れていた、ということを知り、今までの自分や周りの人の行動などを照らし合わせてみると、面白いし、新しい発見があるかもしれないと思った。私は将来、子どもと関わる仕事がしたいと思っているので、今日学んだことを生かし、大学でももっと深く学び、相手の立場に立って物事を考えられる人になりたいと思った。

【日本列島はどのようにつくられたか】

今回の講義を受けて、日本列島の形成について興味を持つことができた。日本列島が5億年前からの断層活動により出来上がったのは現実味がなくとても驚いた。その際の地面の様子を表す「アナログモデル実験」と「津波」のシミュレーションがとても分かりやすく、自然のすごさや恐ろしさを知った。日本列島の変形について「変形相」や「剪断センス」などの現象が作用していることは初めて知った。実際にどのようなものなのかを写真で見ることができたのはとても貴重な体験だったし、わかりやすかった。変化の規模が数億年や数千万年と大きく、想像しづらかったが、自然の壮大さを感じた。変形相と剪断センスによって日本列島がどのようにできたかがわかるのはすごいと思った。日本列島のつくられ方は新しく知ったことがたくさんあり、とてもためになった。また、信州大学の野外活動の様子がとても楽しそうだった。

【炭素の不思議な世界】

炭素について2時間かけて学んでみると、今まではただの炭素という物質としか思わなかったけど、炭素にもいろいろな種類の結合の仕方があり、炭素と言っても1つだけではないということがわかりすごいと思った。自分が毎日使うシャーペンの芯もどんな原理で紙に書けるのかがわかっておもしろいと思った。このような講義を受けてみると、大学で学ぶ分野でもいろいろなものがあって、どれもおもしろそうなものばかりでいいなと思った。

【エピジェネティクス~遺伝子の働きを決めるしくみ~】

分化やその不可逆性についてまず詳しく知ることができた。またiPS細胞について今までより深く理解できた。今日初めてエピジェネティクスについて知ったが、DNAのメチル化について、生まれてから変化が生じるということに衝撃を受けた。妊婦の飲酒が望ましくないことや、ストレス軽減の重要さを改めて実感した。また、分化等の範囲を細かく追ったことで、新しい知識の理解がしやすかった。遺伝子の変化は興味のある範囲なので、今日このように詳しく動きの変化を知られてとてもためになったと思う。

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このほかにも複数の講義があり、いずれも熱心に聴講していました。なかには専門的な内容にくらいつき、高度な質問をした生徒もいたそうです。このような講義が進路選択や将来の職業選択につながる生徒もいるようです。大いに刺激を受けて、これをきっかけにさらに深く学んでもらえたらと思います。

(文責 佐藤慶)