第1回「南高栄誉賞」受賞者紹介 (「緑陽」第7号より)

記念すべき第1回「南高栄誉賞」に、27期卒 小林寛明氏が選出されました。
小林さんの喜びのことばと落合先生のコメントをご覧下さい。



小林寛明さんの作曲作品「天上の青」のこと

 小林寛明さんの作曲作品「天上の青」は、1998年・第67回日本音楽コンクールに於いて第2位に選ばれました。
 日本音楽コンクールは毎日新聞社と日本放送協会の主催によるもので、日本の音楽コンクールでは最も権威のあるコンクールで、卓越した新進音楽家の発見と、世界楽壇への登場を促し、音楽文化の向上に寄与している歴史あるものです。
 今回、このコンクールに最も難関の作曲部門で本県から、いや本校卒業生から受賞者が誕生したことは本当にすばらしい事と、喜んでいます。
 この「天上の青」はフルート協奏曲で、フルートは尺八に似た音色で美しいメロディーが奏でられていて、日本的な落ち着いた雰囲気と深く優雅な曲風は国際的にも日本の伝統的音楽として、さらには、新しさの加えられた日本音楽として高く評価されるものと思いました。
 現に今年度開催されたユネスコ国際会議に於いて日本の音楽として小林君のこの作品が紹介され数カ国から放送の希望があったそうです。
 コンクール当日、幸せにも私も聴かせていただきました。会場の新宿の東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアルは海外の音楽家の聴衆もおられ、緊張の中、報道陣の関心が高く、審査発表の瞬間をとらえるべくNHK放送をはじめたくさんの方々でごったがえしていました。

甲府南高校音楽科教諭(当時) 落合節子



 この度は、第1回目の表彰という大変名誉ある立場に選んでいただき、嬉しく思っています。
 若い作曲家にとって、オーケストラの作品を自主的に発表する機会をもつことは、非常に難しい事です。 たとえどれ程、労を重ねて書いた楽譜であっても、実際に音楽が鳴る場所に立ち会い、自分のイメージ通りの音が鳴っているのか、書き方が悪い所は無いか、「現実」による検証を受けねば、紙の上にだけ存在する、死んだ音の記号にすぎません。2位に入賞できたことは、非常に良いことだったと思います。 しかしそれ以上に、予選を通過し、実際に音になる機会を持てた事、練習に立ち会い、演奏家の皆さんと共に音楽を作り上げていく事が出来た事、そして多くの方々に作品を聴いて頂けた事、これらの体験の方が自分にとって実りある糧になったと思います。
 「入賞した事」は到達点ではなく、今後何をするかが、何よりも大切な事であると思っています。今回、表彰して頂いたことに恥じぬ様、これからの創作において、より良い仕事をして行きたいと思います。

(現 桐朋学園大学作曲科講師)


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